いろいろな意味で気になるニュース。
書籍・雑誌のスキャン代行業者2社に対して、浅田次郎氏、大沢在昌氏、永井豪氏、林真理子氏、東野圭吾氏、弘兼憲史氏、武論尊氏、以上7名の作家が原告作品の複製権を侵害しないように、代行業務の差し止めを求める訴訟を起こしています。
詳細はこちらの記事をご覧ください。

「自炊」とは、紙の本などを裁断してスキャナにかけ、電子化する行為を指します。私も自宅でちまちまと行っています。
「自炊代行」とはつまり、依頼者から預かった紙の本を、依頼者に変わり電子化するものです。
この行為自体は恐らくですが著作権の「複製権」の侵害となり、法的に見れば「黒」でしょう(一時、市販のビデオやCDのダビング代行業者がありましたが、あれらが法的に見れば黒であることと何ら変わりありません)。
著作権法第30条1項で規定されている「私的使用のための複製(私的複製)」に適合するかどうか、という事になりますが、「私的複製」について著作権法では次のように規定されています。
著作権法第30条
著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
つまり、「個人的にまたは家庭内に準ずる限られた範囲内において使用する事。そして、使用する者が複製することができる」と定められています。つまり「使用する者」以外が複製した場合、「私的複製」には該当しません。
(その辺り、ここに分かりやすく掲載されています)
これだけ明確に定められていますので、問題となっている「自炊代行業者」の行為は「違法」であることは明らかではないかと思います。
さて、ただ、です。
ここで各作家さんの言い分が書いてありますが、その言い分があまりに・・・ですね。
一部抜粋してみます。
大沢在昌氏のコメント
「作家が電子版を許可されない一番大きな憂慮はやはり海賊版の問題。」
紙だからこそ誰でも簡単に複製できるので海賊版は出やすいのではないでしょうか?電子化することで逆にDRMや電子署名などの仕組みを組み込めるので海賊版は出にくいと思うのですが。電子化しようとしまいと、海賊版を作る人は作るでしょうし、紙の方が作りやすいのは間違いないでしょう。
東野圭吾氏のコメント
「電子書籍を出さないからこういうことが起こるのだという声に対してはこういいます」とし、一呼吸置いて強い口調で次のように述べた。
「売ってないから盗むのか!こんな言い分は通らない。私は電子書籍が普及しても、こうした違法スキャン業者はなくならないと個人的に思っている」
論点がかなりずれてます。買った本を自炊代行業者に自炊してもらう行為が「盗み」だとか。
お金を出して購入している読者をとことん舐めてる発言だと認識せざるを得ません。
このことについて、「ブラックジャックによろしく」などを書いている漫画家の佐藤秀峰氏が自身のブログでコメントを出しています
法的な認識に関してはさておいて、この内容に私は全面的に同意しています。
私も本が好きで、毎月結構な冊数の本や雑誌を買います。
紙の手触りが好きなので裁断してスキャンするのは心苦しいし、時間もかかるのですが、場所を取るので仕方なくやっています。
もっといろいろな本が電子書籍で発売されれば、iPadがあればどこでもいつでも本が読めるという環境ができるので非常に利便性は上がります。それでも紙の本を買うことは辞めないと思いますが、少なくとも裁断するときの心苦しさからは解放されるでしょう。
佐藤秀峰氏も書いていますが、何の権利があって、自分が買った本を電子化することを「盗み」扱いされないといけないのか、私にはさっぱり分かりません。どこがどう「盗み」なのか公式に説明して欲しいものです。
確かに自炊代行業者に関しては違法と感じざるを得ないのですが、いわゆる「作家先生」的な発想が根底にあることが情けないというか、日本のいわゆる文壇と呼ばれるところがどれだけ閉鎖的か、ということを改めて認識させられた一件ではないか、と感じています。

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業者に頼まず、自分でやるときはこのスキャナがいいですよ。

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