また台風ですね・・・・現時点(2016/10/3 17:45 気象庁発表)で台風18号 915hPa だそうで、猛烈な台風です。
進路も気になりますが、先日紹介した台風の時に確認するといいサイト一覧に掲載した米軍の台風情報サイト、見方が分からない、という方が多いようです。
私も今ひとつ確信が持てないので、覚え書きも兼ねて解説してみます。
さて、まずは前回の記事をリンクしておきます。
で、この記事を執筆している時点で最新の米軍予報図を添付してみます。
うわーもーキツいっすね・・・
最初にちょっと単位の解説から
日本と米国では使われている単位がいろいろと違ったりします。
なので、ちょっとだけ単位のまとめを書いておきます。
風速
台風の場合、日本では風速を”m/s”、つまり1秒辺り何mか、で表します。
例えば「25m以上の暴風域」という表現、しますよね。
アメリカでは”kt(ノット)”を使います。
“kt”は1時間に1海里進む速さ、です。
1kt = 0.514444 m/s
つまり、ノットを半分すると日本のメートル表現となる、と覚えておきましょう。
例) 70kt = 35m/s
NM (nautical mile) / 海里
距離を表す単位として”NM”という単位が使われます。
“NM”とは “nautical mile”の略です。つまり「海里」です。
1海里=1852m
です。
例) 50NM = 92600m = 92.6km
フィート
フィートは長さの単位ですが、波の高さなどに使われます。
1feet = 0.3048m
です。
例) 12feet = 3.6576m
時間について
時間の概念を忘れる人も多いのですが、時差がありますので必ず考慮しましょう。
米軍の予想を見る場合、時間は+8時間です。
(+9時間と書いてあるところが多いですが、どうやら+8時間のようです)
イギリスの場合は+6時間です。
緯度と経度の距離
天気図などは緯度と経度を基準に描かれることがほとんどです。
緯度と経度の距離を知ることで、例えば台風の大きさを知るのに緯度と経度を基準に知ることができます。
緯度:1度 = 約111km
経度:1度 = 約95km : 緯度31度(鹿児島辺り)で計算
まずは地図から見てみる
さて、まずは地図側の見方から。
ちなみに外側の点線内は34kt以上の暴風が吹きそうな範囲、となります。
日本では風速25m/s以上・・・つまり50kt以上が「暴風域」という扱いですが、米軍情報では17m/s(34kt)以上が「暴風域」という扱いのようです。
表の見方も解説してみる
次に右上の表のようなものの解説です。少し長くなります・・・
「TYPHOON 21W (CHABA) WARNING #21」
最初はそのまま「タイフーン 21号 (CHABA)」です。番号が違うのは米国基準で付けられた番号ですので、基本的には日本の「台風○号」より多い数字になるケースが多いです。次は「警告21号」とでも言いましょうか。この台風が発生してから21回目の報告、ということです。
「WTPN32 PGTW 030300」
最初の2列は無視して下さい、というか私もよく分かりません・・・すみません、解説できる方、コメントいただけると幸いです。
最後の”030300″はレポートを発表した時間、つまり3日の3時、です。が、日本時間ではありませんので、日本時間にするには+9時間ですので、 3日の12時、ということです。
「030000Z POSIT: NEAR 23.9N 127.5E」
3日の0時に北緯23.9度、東経127.5度に台風の中心がある、ということです。
時間はもちろん+9時間ですので、3日9時、となります。
「MOVING 325 DEGREES TRUE AT 13 KNOTS」
325度の方向に13KNOTSで進んでいます、ということです。
ちなみに325度とは、真北を0度として時計回りに測りますので、北西よりも北寄り、という感じでしょうか。
「MAXIMUM SIGNIFICANT WAVE HEIGHT: 36 FEET」
波の高さを平均すると36FEETということかと思います。36FEETだと、おおよそ11mくらい?
次が地図上にマッピングされたマークと風の強さの関係です。
「03/00Z, WINDS 125 KTS, GUSTS TO 150 KTS」
3日0時・・・日本時間で3日9時の風速は125kt(63m/s)、最大瞬間風速は150kt(75m/s)
恐ろしい強さですね・・・
ちなみに九州の西側に位置したときの風の強さは・・・・
「04/12Z, WINDS 90 KTS, GUSTS TO 110 KTS」
4日12時・・・日本時間で4日21時の風速は90kt(45m/s)、最大瞬間風速は110kt(55m/s)
充分強いですね・・・960hPaくらいでしょうか
更にその下の「CPA TO:」以下は米軍の重要地点での予想になります。
例えば、3行目の「SASEBO」を見てみます。
「SASEBO NM:56 DTG:04/21Z」
このNMは”nautical mile”つまり「海里」を表します。ちなみに
1海里=1852m
ですので、
56NM = 103712m = 103.7km
ということです。
つまり、佐世保の米軍基地から103.7km近くに中心が来る可能性があるよ、ということですね。
で、その時間が「04/21Z」つまり「4日6時」にいちばん近付くということです。
ですので、
米軍佐世保基地には4日6時に最も最接近し、中心までの距離は103.7kmと予想している、ということです。
自分の住まいに最も近い米軍基地までの距離を算出し、気象庁が発表する暴風域の大きさと比較すると、暴風域に入るのか入らないのかが分かりやすいかも知れません。
と、見方が分かるといろいろ分析も出来ますよね。
これと気象庁の予報、そしてスーパーコンピューターの予報を比較して見ていくと自分でも予想が出来るようになるかも知れません。
最後に米軍の台風予想サイトへのリンクを貼っておきます。
Joint Typhonn Warning Center
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