さて、FBやTwitterではちょいちょい書いています、武雄市立図書館の件です。
樋渡市長がちょっと細かい事をブログに掲載しました。
図書館貸出情報の扱い、ご安心ください!/武雄市長物語
内容は主にTwitterなどで懸念されている「貸出情報の取扱」に関することです。
私はこの文章を読んで、おおむね書いてある事には賛同しています。
その辺りも含め、私の考えをちょっと書いてみたいと思います。
まず、「貸出情報」というのは樋渡市長も書いてるように「プライバシー情報ではあります」が、「個人情報ではありません」。
その辺りは樋渡市長が説明されているので、そちらをご覧下さい。これが法的には正しい解釈でしょう。
そして、問題となっている記者会見のUstreamでは「プライバシー情報」についても説明しています。その辺り、樋渡市長は次のようにブログで説明しています。
「僕はプライバシーの保護という観点から個人の意向を重視したい。そして、記者&ユースト会見でも述べましたが、この貸出情報を、それを出すとも言っていないし、それを活用するに当たっては、市民の同意が必要だと言っています。」
また、「図書館の自由に関する宣言」についても同様に「無視する」とも「軽視する」とも言ってませんね。まあその後によけいな一言を入れちゃうのがこの人の悪い癖なのですが・・・
要するに、全体を要約すると「その辺、何も決まってないけど、これから話し合いをして議論していくし、実際にやる時は市民の了解も取るから問題ないよ」ということでしょう。
それはさておき。
私の個人的な意見・見解です。
私はそもそも「行政サービスのあり方」として考えた時、非常に問題が大きいと感じています。
仮にTカードを図書館カードの代わりにしたとしましょう。もしTカード側の都合で「Tカード廃止します」という話になった時、どうするんでしょうか?その会社が倒産し、Tカードと連動しているシステムが稼働しなくなったら、サービスが止まってしまいます。
これはFacebookページにも共通する事で、Facebookが規約変更なり会社倒産なりでFacebookページの運用が出来なくなってしまった場合、また新たに時間をかけてサイトを立ち上げなければいけません。
それは行政サービスではあってはいけないことだと思います。
ところが役所はご存知の通り「予算制」です。突然こういう事が発生した場合、予算の余剰がありません。
ですので、行政のサイト向けサーバなどは、そういう突然の事態に備えた構成にして、緊急事態を極力乗り切れるように、最低でも次の予算組み〜予算確定まではなんとか同一のサービスが提供できるように準備しておくのが普通です(よね?と聞いてみる)。
※それでもどうにもならないことはあるのですが、そういう場合でもどうにかなるように(どこかがかぶれるように(苦笑))シフトを組む事が必要です(もちろんそこまでやらないところもありますが)。
今回のケース、どちらもそのような「バックアップ体制」が用意してあるのか、用意できるのか、甚だ疑問です。
行政サービスでも確かにリプレースの時期は来ます。
が、リプレースに関しては「計画的に」「行政側のタイミングで」行う事が出来ますが、先方都合で予期せぬタイミングに「停止」してしまう可能性が少なからずある行政サービスは正直どうかと思います。
この出来事、昨年のFacebookページの件まで含めて、が、行政サービスの考え方を「民間的な考え方」に変えてしまうようであれば、それはそれで非常に問題として大きい、と思っています。
そういう点を含めた議論がなされれば、これからの行政サービスのあり方を考える大きなきっかけになりうるかもしれませんね。
※もちろん他にも問題点はあると考えていますが、その辺りは既に出尽くしてる感もありますので、ここには書きません。
※武雄市の事ですから、最終的には武雄市民が決める事です。今後のために自分なりの情報収集と情報提供は行うかもしれませんが、それ以上の事をするつもりは現時点ではありませんこと、ご了承下さい。
追記:2012/5/7
あれからTwitterなどを追ってみた。
比較的賛成派の方の意見は総じて「とりあえずやらせてみりゃいいじゃん」的。
「やらせてみて適宜修正」なんてことを言ってる人が多いが、個人の思想情報が絡む問題でそのスタンスは非常に危険だし、民間サービスと行政サービスの違いが全く分かってない人が多い。しかも民間サービスでも恐らくそのスタンスで始めたサービスがとんでもないことをやらかして会社ごと畳む、なんてことは時々聞く話。行政は畳めないので誰がどういう形で責任を取るのか・・・・
逆に反対派の多くは相変わらず「僕の持論」という一言に噛み付いてる人が多い。確かに「持論」と言ってる時点で「てめえの持論で政治を進めるな」と言いたくなるのは分かるが、今回の件に関しては本文でも書いたように「なぜ貸出し履歴が個人情報ではないと思っているのか」がきちんと法的根拠に基づいて書かれている。そこに対して突っ込むのは既に「無駄」以外のなにものでもない。
個人的には「賛成派も反対派もあまり過激かつ明後日の方向に進まないでほしいなあ」と思っております。
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